～Midnight　Letter～

言葉に出来ないものを

ただ諦めていった

届かないと知っているから

手を伸ばそうとはしなかった


離れて行くものを

ただ見つめていた

戻らないと知っているから

追いかけることもしなかった


そうやって

たくさんの何かを失って

守ることも出来ないのに

また望んでしまう


すれ違って行くものを

ただ受け入れていた

傷付くと知っていたから

分かり合おうとしなかった


孤独と言うものを

ただ怖れていた

忘れ去られると知っていたから

寄り添うことが出来なかったんだ

見て見ぬフリをして

愛想笑いをして

余計な事は出来るだけ

言葉にしないで

それでも何処かで

繋がって居たくて

この世界の流れに必死で

しがみ付く自分が居た

僅かな時でいい

何もかもに疲れ果てた日々の

ほんの隙間でいい

誰にも縛られることのない

何にも属さなくてもいい

この眠りを

揺り起こさないでほしい