
#141
2013年04月26日

綺麗事は
高級レストランのディナーのように
綺麗に並べられていて
私はどれから頂こうか迷っていた
冷め切ったスープのように
真実だけが何故か美味しくない
器に盛られた鮮やかな色どりを
不器用な手つきでテーブルを汚す
少しだけ背伸びしたかったのだ
少しだけ体裁を気にしたのだ
大人ぶって満たされぬモノを食し
ほろ苦い飲みモノを舌で転がし
足りるかどうか財布の中身を
気にするほどの不安の中で
大人と言うやつを
演じてみたかったのだ
#140
2013年04月25日

それは壊れた楽器のように
私が奏でる音は
聴くに耐え難いモノとなった
ろくに手入れもせず
ただただ誰かの雑音を掻き消すように
無心に響かせた
一つまた一つと
まるで絃が切れていくように
私の何かが途切れて行った
誰に届くこともなく